【映画】言の葉の庭を新幹線で観て号泣したオタク
ここ最近、「天気の子」が大ヒットしている。
数年前社会現象を起こした「君の名は。」を監督した新海誠。正直新海誠作品は名前しか知らず、初めて観た新海誠作品は地上波で流れた「君の名は。」だった。
昔から彼の名前は知っていて、2ちゃんで「鬱アニメといえば」の中で必ずと言っていいほど「秒速五センチメートル」が挙げられていることで監督の名前を知った。なので私は
新海誠=鬱アニメ
が染み付いていた。
ネットで
「君の名は。」は本当は監督はラストを軽く鬱要素を入れようとしていたがプロデューサーに止められた
なんて言葉を聞いたので監督はそういう性癖なんだなと思っていた。
ではなんで今回、「秒速五センチメートル」ではなく「言の葉の庭」を観ようと思ったのか。
設定が梅雨時期で雨に関する話だと聞いて今やってるやつと逆の作品を観ようと思ったからだ。
私も捻くれている。
今回、推しごとの関係で新幹線に乗ることになったので新幹線内暇だろうと思いAmazonプライム・ビデオにてダウンロードして観ることにした。
一言感想を言うなら
性癖と涙腺が大爆発
では今回もまたネタバレ満載で感想を語ろうと思う。ネタバレが嫌な方は「新宿御苑で雨を待つわ」とツイートしてからアマプラなりで観て欲しい。
いいね?
まず私が驚いたのが主人公とヒロインの声が高かったことだ。
まぁ老け顔な15歳の高校生主人公と年齢不詳(のちのち分かるが)の女性。見た感じ勝手に主人公は落ち着きのある低い声で女性も大人な女性の声なのかと思っていた。
でも実際は入野自由と花澤香菜と最近の声優が梶裕貴で止まっている自分には有難いキャスティングでびっくりした。というか俳優とかじゃなく声優使ってたんだね。
靴作りに熱を注いでいるが周りから「所詮夢だから職人にはなれない」と否定されることに怯えて(ているように私は見えた)心をあまり開かず絶妙な距離で人間関係を築く主人公。
彼は雨が降ると学校へ向かう地下鉄には乗らず新宿で降り御苑に向かい午前の授業をサボる。そんなルーティンを作り6月の梅雨入り前の御苑に入る。屋根のあるスペースには先約のビール(本来アルコール持ち込み禁止)とチョコを摘む女性がいた。そこから徐々に距離が縮まっていき……っていうのが大まかなあらすじである。
そんなカッコいいアニメでしか許されなさそうな生活にいいなぁなんて思いながら見入ってしまう。でも彼の熱中しているものへの考えや夢と将来の結びつきの難しさなど見ているとリアルで自分もそうだなぁなんて思ったりもする。
女性も万葉集の短歌を主人公に呟いて去ったりなど本当ミステリアスにもほどがある。そしてCV花澤香菜、性癖ロイアルストレートフラッシュですやん????????
雨の日に必ず会う二人のそこでの時間は世界には今二人きりなんだという特別で秘密な時間が流れるのも素敵だった。私もそんな秘密の関係が出来る何かが欲しかった。
二人は主人公が作ったご飯を一緒に食べたりするようになる。後に主人公は彼女の靴を作りたいと伝えて彼女だけの靴を作り始める。彼女も主人公に高価な靴作りの本をプレゼントする。
おいおいリア充かよこのまま甘酸っぱい恋が始まるのかよ。そんな事を思っていた。
そんなに新海誠は甘くない
実は女性は主人公の学校の古典の先生で、3年生の生徒に恨みを勝手に買われてクラス全体のいじめへと発展してて現在精神を病んでいた。
梅雨が明けて夏休みが終わった学校ですれ違い真実を知る主人公。彼女は退職することが決まりその日が最後。知るには遅すぎる展開。主人公は血が上り上級生にカチコミに行くも返り討ち。
本当悲しいにも程がある。
彼女がチョコとビールを合わせてたのも味覚障害が出てたからというのもしんどい。
望みを掛けて晴れている新宿御苑に向かうとそこには先生の姿が。先生は最初から主人公の制服で職場の生徒だと知っていたことを告げる。
そして空気を読むように9月のゲリラ豪雨。
そのまま先生のマンションへ行く二人。
楽しそうにご飯を食べたり話したりコーヒーブレイク。
ああこの時間が一番幸せだと二人は思っていく。そして彼女に好意を抱いていると伝える主人公。彼女は顔を赤らめるが「先生でしょ」と名前の呼び方から距離を置く。そして四国の実家へと戻るから明日には帰ることを主人公に伝える。失恋したと悟り主人公は乾かしていたシャツを生乾きのまま着て帰る。
そこで主人公との思い出がフラッシュバック。そして精神を病んで沈んでいた自分に光をくれていたのが彼だったと気付き走り出す。
ここの主人公を追いかけて裸足で外の階段を降りるシーンは本当に綺麗だった。というか全体的に雨の演出が凄く綺麗。さすが新海誠……
踊り場で黄昏ていた主人公を捕まえる。でも主人公は「やっぱり先生のことが嫌いです」と泣きながら伝えていく。
このシーンは本当入野自由の演技が凄すぎて涙が止まらなくなった。そしてこの勢いでヒロインと抱き合い心を解放した彼女の泣きも演技が凄すぎて涙が止まらなかった。ここの流れは本当に性癖の塊。
そして結局ヒロインと主人公は別々の道を進む。でも手紙でのやり取りはしているようで、今度ヒロインに逢いに遠くへ踏み出そうかなというシーンで終わる。
途中途中に新宿御苑を上から見下ろす画があるのだが、一本の道の真ん中にいつも二人の集まる場所の屋根があり、そこに向かって二人の傘が近付いていくという演出がある。
それが最後、雪が積もるほど降っている新宿御苑の道は主人公が歩いてきていた側が白く見えなくなっていてヒロインが歩いてきてた方のみが伸びていて、そこを主人公が歩くシーンになっている。
え、これって主人公がヒロインの場所まで行くことの暗喩(まぁ行こうかなと言っているので直喩ではある)と主人公は一歩踏み出せたから居場所が変わったという暗喩ですか????????
新幹線で観てたからここら辺はもう一度見るべきなのかもしれない。
総合評価
100点満点中89点
よかった点は
減点理由は
- 46分と短いのでもう少し二人の関係性を見てみたい
- 最後は結局結ばれているのかの謎さ
- 3年生の主犯のリアルな演技(個人的トラウマ)
総評は
椎名林檎と宇多田ヒカルの「2時間だけのバカンス」を映画にした雰囲気の序盤とRADWIMPSの「前前前世」の歌詞の雰囲気で構成されたハッピーとバッドどちらでも解釈可能な村上春樹の短編
本当あの終わり方はどちらで捉えたらいいんですか?一切考察などを見ていないので後で読んでこの感想がネットの通説と違っていたら訂正した方がいいのかもしれない。信者多そうだし。
改めてオリジナル作品の映画でも俳優やアイドルを使わずに声優だけで作った方がいいと思わせてくれる作品でした。雰囲気が好きなのでまた観ようと思います。あと聖地行きたい。
というわけで皆さまお元気で